これは保育士試験に向けて、独学で勉強した内容をまとめた記事です
■この記事の内容■
・保育原理の科目で多くの問題が出題される保育所保育指針についてまとめていきます。
・保育所保育指針の総則 2 「養護に関する基本的事項」についての理解を深めます。
・この記事の内容に関連する過去問も紹介しています。
この記事は前回の記事の続きです。前回の記事はこちら
保育所保育指針解説(厚生労働省・平成30年2月)
指針の解説ページをもとに理解を深めていきます。(リンクは、全国保育士養成協議会が公開しているページです)

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1.保育所保育指針-総則 2「養護に関する基本的事項」
(1)養護の理念
保育における養護とは、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりであり、保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とするものである。保育所における保育全体を通じて、養護に関するねらい及び内容を踏まえた保育が展開されなければならない。
保育所が、乳幼児期の子どもにとって安心して過ごせる生活の場となるためには、健康や安全が保障され、快適な環境であるとともに、一人の主体として尊重され、信頼できる身近な他者の存在によって情緒的な安定が得られることが必要である。保育士等には、子どもと生活を共にしながら、保育の環境を整え、一人一人の心身の状態などに応じて適切に対応することが求められる。保育における養護とは、こうした保育士等による細やかな配慮の下での援助や関わりの全体を指すものである。
保育士等が、子どもの欲求、思いや願いを敏感に察知し、その時々の状況や経緯を捉えながら、時にはあるがままを温かく受け止め、共感し、また時には励ますなど、子どもと受容的・応答的に関わることで、子どもは安心感や信頼感を得ていく。そして、保育士等との信頼関係を拠りどころにしながら、周囲の環境に対する興味や関心を高め、その活動を広げていく。
乳幼児期の教育においては、こうした安心して自分の思いや力を発揮できる環境の下で、子どもが遊びなど自発的な活動を通して、体験的に様々な学びを積み重ねていくことが重要である。保育士等が、子どもに対する温かな視線や信頼をもって、その育ちゆく姿を見守り、援助するより、子どもの意欲や主体性は育まれていく。
このように、保育所における日々の保育は、養護を基盤としながら、それと一体的に教育が展開されていく。保育士等には、各時期における子どもの発達の過程や実態に即して、養護に関わるねらい及び内容を踏まえ、保育を行うことが求められる。
(2)養護に関わるねらい及び内容
養護に関わるねらい及び内容は、1の(2)に示される保育の目標の「(ア)十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること」を具体化したものである。そして、それは「生命の保持」に関わるものと、「情緒の安定」に関わるものとに分けて示されている。
ア 生命の保持
(ア)ねらい
① 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。
② 一人一人の子どもが、健康で安全に過ごせるようにする。
③ 一人一人の子どもの生理的欲求が、十分に満たされるようにする。
④ 一人一人の子どもの健康増進が、積極的に図られるようにする。
子どもの生命を守り、子どもが快適に、そして健康で安全に過ごすことができるようにするとともに、子どもの生理的欲求が十分に満たされ、健康増進が積極的に図られるようにすることは、子ども一人一人の生きることそのものを保障することである。それは、日常の生活の中での保育士等の具体的な援助や関わりにより実現されるものである。子ども一人一人の健康と安全がしっかりと守られるとともに、保育所全体で子どもの健康増進を図っていくことが求められる。
(イ)内容
① 一人一人の子どもの平常の健康状態や発育及び発達状態を的確に把握し、異常を感じる場合は、速やかに適切に対応する。
一人一人の子どもの健康状態や発育及び発達状態を把握するために、登所時の健康観察や保育中の子どもの様子の把握を、日々必ず行うことが重要である。また、家庭での食事や睡眠などについて、保護者から情報を得ることが必要である。
とりわけ、乳児の健康状態は生命の保持にも関わるものであり、常に身体の状態を細かく観察し、疾病や異常を早く発見することが求められる。
また、生後数か月以降には母親から受け継いだ免疫が減り始め、感染症にかかりやすくなるため、朝の受入れ時はもちろんのこと、保育を行っている際に、機嫌・食欲などの観察を十分に行い、発熱など体の状態に変化が見られた時は適切に対応しなくてはならない。
乳幼児期は疾病に対する抵抗力が弱く、容態が急変しやすいことを十分認識し、第3章で示されていることを踏まえ、職員間で連携を図りながら、適切かつ迅速に対応することが必要である。
加えて、日々の心身の健康状態の確認や継続的な把握及びその記録は、不適切な養育の早期発見につながったり、児童虐待への対応における根拠資料となったりすることがあり、子どもの人権を守る視点からも重要である。
② 家庭との連携を密にし、嘱託医等との連携を図りながら、子どもの疾病や事故防止に関する認識を深め、保健的で安全な保育環境の維持及び向上に努める。
疾病予防については、保護者との連絡を密にしながら一人一人の子どもの状態に応じて、嘱託医やかかりつけ医などと相談して進めていくことが必要である。保育士等が子どもの疾病について理解を深めるとともに、感染予防を心がけ保護者に適切な情報を伝え、啓発していくことも大切である。保育室・衣類・寝具・遊具など、子どもの周囲の環境を点検し、衛生的な環境への細心の注意を払う。
事故防止については、子どもの発達の過程や特性を踏まえ、一人一人の子どもの行動を予測し、起こりやすい事故を想定しつつ、環境に留意して事故防止に努めることが求められる。子どもの成長に伴い行動範囲が広がるため、その活動を保障し、保育所全体で安全点検表などを活用しながら対策を講じ、子どもにとって安心・安全な環境の維持及び向上を図ることが重要である。
③ 清潔で安全な環境を整え、適切な援助や応答的な関わりを通して子どもの生理的欲求を満たしていく。また、家庭と協力しながら、子どもの発達過程等に応じた適切な生活のリズムがつくられていくようにする。
保育所の環境については、保健面や安全面に関して十分に配慮することが必要である。清潔が保たれ衛生的な場であることはもちろんのこと、明るさ・温度・湿度・音などについても常に配慮することが求められる。
その上で、子どもが安心して探索活動をしたり、伸び伸びと体を動かして遊んだりすることのできる安全な環境であることが必要である。こうした環境の下で、保育士等が応答的に関わりながら、食欲や睡眠などの生理的欲求を満たしていくことが、一人一人の子どもの健やかな成長の支えとなる。子どもの欲求に応え、語りかけながら優しく対応することにより、子どもは心地よさとともに、自分の働きかけに対する相手の応答的な行為の意味を感じ取る。
また、送迎時の保護者との会話や連絡帳、懇談会などを通し、積極的に家庭との情報交換を行い、子どもの一日の生活全体を考慮して、子どもの食事・睡眠・休息・遊びなどが無理なく営まれるようにする。一人一人の子どもの生活に合わせ、時には柔軟な対応を図り、家庭と協力して子どもの生活や発達過程等にふさわしい生活のリズムがつくられていくことが大切である。
④ 子どもの発達過程等に応じて、適度な運動と休息を取ることができるようにする。また、食事、排泄、衣類の着脱、身の回りを清潔にすることなどについて、子どもが意欲的に生活できるよう適切に援助する。
保育においては、子どもの発達を見通し、全身を使う運動を適度に取り入れ、それぞれの状態に応じた活動を十分に行う。休息は、心身の疲労を癒やし、緊張を緩和し、子どもが生き生きと過ごす上で大切である。
子ども一人一人の発達過程等に応じて、生活のリズムに合わせ適度な休息をとることができるようにするなど、静と動のバランスに配慮して、保育の内容を柔軟に取り扱うことが重要である。
食事は、楽しい雰囲気の中で喜んで食べることが大切である。第3章の2の(1)のイに示すように、友達と一緒に食事をし、様々な食べ物を食べる楽しさを味わうことで、食育の推進が図られる。授乳する時は、抱いてほほえみかけながら、ゆったりとした気持ちで行う。離乳の時期や方法については、保護者と情報を共有し、保育士、嘱託医、栄養士、調理員等職員間で連携しながら、一人一人の子どもに合わせて慎重に進める必要がある。
健康や安全等に関わる基本的な生活習慣や態度を身に付けることは、子どもが自分の生活を律し、主体的に生きる基礎となる。食事・排泄・睡眠・衣類の着脱・身の回りを清潔にすることなどの生活習慣の習得については、急がせることなく、一人一人の子どもの様子をよく見て、その子どもにとって適切な時期に適切な援助をしていくことが求められる。保育士等は見通しをもって、子どもに分かりやすく手順や方法を示すなど、一人一人の子どもが達成感を味わうことができるよう援助を行う。子どもが、自信や満足感をもち、更に自分でしてみようとする意欲を高めていくことが重要である。
イ 情緒の安定
(ア)ねらい
① 一人一人の子どもが、安定感をもって過ごせるようにする。
② 一人一人の子どもが、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。
③ 一人一人の子どもが、周囲から主体として受け止められ、主体として育ち、自分を肯定する気持ちが育まれていくようにする。
④ 一人一人の子どもがくつろいで共に過ごし、心身の疲れが癒されるようにする。
一人一人の子どもが、保育士等に受け止められながら、安定感をもって過ごし、自分の気持ちを安心して表すことができることは、子どもの心の成長の基盤になる。
子どもは、保育士等をはじめ周囲の人からかけがえのない存在として受け止められ認められることで、自己を十分に発揮することができる。
そのことによって、周囲の人への信頼感とともに、自己を肯定する気持ちが育まれる。特に、保育士等が、一人一人の子どもを独立した人格をもつ主体として尊重することが大切である。このように、乳幼児期において、他者への信頼感と自己肯定感が周囲の人との相互的な関わりを通して育まれていくことは、極めて重要である。
また、子どもたちが生活を共にする保育所において、保育士等が一人一人の子どもの状態を把握し、心身の疲れが癒やされるよう心がけることも必要である。一日の生活の流れにゆとりをもたせ、子どもが場や周囲の人々に親しみや安心感をもち、くつろいで過ごせる環境となるよう配慮することが求められる。保育所全体で、子どもの情緒の安定を図り、その心の成長に寄り添いながら、子ども主体の保育を実践していくことが大切である。
(イ)内容
① 一人一人の子どもの置かれている状態や発達過程などを的確に把握し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉がけを行う。
保育士等は、一人一人の子どもの心身の状態や発達過程を的確に把握し、それぞれの子どもの欲求を受け止め、子どもの気持ちに沿いながら、今、この子どもにとってどのように関わることが最も適切なのか検討し、保育を行っていくことが大切である。子どもは、自分がしてほしいことを心地よくかなえられると安心し、自分の欲求をかなえてくれた人に対して、親しみと信頼感を抱くようになる。また、日頃より、自分に向けられる優しいまなざしや態度から、自分が認められ愛されていることを感じ、自分からもそうしたまなざしや態度を相手に示していく。保育士等とのこうした温かなやり取りやスキンシップが日々積み重ねられることにより、子どもは安定感をもって過ごすことができるようになる。特に、乳児期の子どもが十分にスキンシップを受けることは、心の安定につながるだけでなく、子どもの身体感覚を育てる。子どもは、肌の触れ合いの温かさを実感することにより、人との関わりの心地よさや安心感を得て、自ら手を伸ばし、スキンシップを求めるようになっていく。
こうした保育士等との触れ合いに子どもが喜びを感じながら、応答的なやり取りや言葉がけが豊かになる中で、子どもは保育士等の気持ちや言葉の表す意味を理解していく。
② 一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく。
保育士等が一人一人の子どもの気持ちを汲み、適切に応答していくことは、保育の基本である。子どもの人に対する信頼感は、こうした関わりが継続的に行われることを通して育まれていく。子どもは、自分の気持ちに共感し、応えてくれる人がいることで、自身の気持ちを確認し、安心して表現し、行動する。
また、保育士等が子どもと向き合う中で、自らの思いや願いを子どもに返していくことにより、子どももまた保育士等の存在を受け止め、その気持ちを理解するようになる。保育士等の温かい受容的な雰囲気とともに、自らに向けられている気持ちや期待を、子どもは敏感に感じ取るものである。
保育所での生活の中で互いに認め信頼し合う関わりを通して、生涯にわたる人との関わりの基盤となる基本的な信頼感を培い、子どもの心を豊かに育てていくことは、保育士等の責任であることを認識することが大切である。
③ 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。
子どもの自分に対する自信や自己肯定感を育てていくことは、保育の大切なねらいの一つである。一人一人の子どもが、保育士等との間に形成された信頼関係を拠りどころとしながら、日々の生活の中で主体性や生きることへの意欲を育んでいることを、保育士等は常に心に留めながら、子どもと関わることが大切である。そのためには、一人一人の子どもの人格を尊重し、生命の尊厳を感受する、保育士等の倫理観が重要である。
また、子どもの自発性や探索意欲が高まるような環境を計画的に構成し、子ども自らが環境に関わろうとする姿を、保育士等は見守り、共感しながら、励ましたり、必要な助言を行ったりする。遊びや活動の展開に応じて環境を再構成しながら、保育士等も一人一人の子どもと楽しさを共有することによって、子どもの主体的な遊びや活動は更に豊かな広がりをもつものとなっていく。
子どもの育ちにおいて大切なことは、時間をかけて醸成されていくものである。人や物との出会いの中で様々な感情や考えが芽生え、多様な体験を積み重ねていく中で、子どもの心は成長していく。その過程を保育士等が見守り、受け止めることによって、子どもの自己肯定感が育まれていくことが重要である。保育士等が主体としての子どもを認め、肯定する気持ちを言葉や態度で子どもに伝えることにより、子どもは自分への自信を獲得していくのである。
④ 一人一人の子どもの生活のリズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。
保育所で長時間過ごす子どもは、就寝時刻が遅くなりがちになることがある。一人一人の子どもが、乳幼児期の子どもにふさわしい生活のリズムの中で、心身の健やかな発育・発達を支える上で必要となる食事や適度な休息をとる観点から、保育士等は子どもの生活全体を見通し、家庭と協力しながら心身の状態に応じて適切に援助していくことが大切である。
保育所では、いつでも安心して休息できる雰囲気やスペースを確保し、静かで心地よい環境の下で、子どもが心身の疲れを癒すことができるようにする。また、午睡は、子どもの年齢や発達過程、家庭での生活、保育時間といったことを考慮し、それぞれの子どもが必要に応じて取るようにすることが大切である。子どもの家庭での就寝時刻に配慮して、午睡の時間や時間帯を工夫し、柔軟に対応する。
一日の生活全体の流れを見通し、発散・集中・リラックスなど、静と動の活動のバランスや調和を図る中で、一人一人の子どもが適切に食事や休息を取れるようにすることが重要である。
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