【01.保育原理】わが国の保育制度④

これは保育士試験に向けて、独学で勉強した内容をまとめた記事です 

この記事は前回の記事の続きです。前回の記事はこちら 

５．待機児童問題

ニュースなどにも取りあげられている待機児童問題についても触れていきます。

①待機児童の定義

調査日時点において、保育の必要性の認定( ２号または３号) がされ、特定教育・保育施設（認定こども園の幼稚園機能部分及び幼稚園を除く。 ）または特定地域型保育事業の利用の申込がされているが、利用していないものを把握すること。

出典：厚生労働省「保育所等利用待機児童の定義」

わが国の待機児童問題

ポイント１　待機児童数の推移

1. 保育所などにおける待機児童数は2014年ごろまでは緩やかに減少
2. 2015年の子ども・子育て支援制度の施行を受けて増加に転じる
3. 2017年をピークに、以降は減少

子ども・子育て支援制度の施行（2015年）で、なぜ増えた？
 　「2015年　待機児童増加」で検索すると「待機児童5年ぶり増加 女性の社会進出、壁なお高く（日本経済新聞）」などの記事が出てきた、子どもの数が増えたのか？
調べてみると複合的な要因が絡み合った結果、増加に転じたようです。
・保育所などの施設不足
・保育士不足
　（子ども・子育て支援制度により民間保育士の給与が平均3％改善されるとともに、公務員給与の見直しで保育士の給与が平均2％改善されたため、給与は平均5％増加）
・共働き世帯の増加
・女性の社会進出　　など
ちなみに・・・
子育て支援は安倍首相の経済政策アベノミクス「新3本の矢」の一つ（夢をつむぐ子育て支援）でした！
（2015年9月24日の記者会見で安倍首相が発表）

2017年以降、なぜ減少？
・保育の受け皿拡大への努力（認定こども園の増設、国の政策「新子育て安心プラン」など）
・少子化の影響
・保育士の処遇改善と人材確保
これらの要因によって減少傾向となりました。

ポイント２　待機児童数の年齢別割合

例年待機児童数の年齢別割合では、3歳未満時が9割以上を占めています。特に1〜2歳児の待機児童数が多いことが特徴です。その理由として以下のものがあげられます

• 1歳になると育児休業が終了して保育所利用希望が増える
• 保育所における1歳児クラスの空きが少ない

例えば、保育所の配置基準は満1歳以上3歳未満児の場合「おおむね6人につき1人以上」のため、児童数が多くなると保育士の人数も必要になる構図となっている。

待機児童数の地域差

待機児童数を全国の地域差で考えると、圧倒的に首都圏（東京、神奈川、埼玉、千葉）、近畿圏（大阪、兵庫、京都）における待機児童数が多い。これに、指定都市、中核市を加えた都市部の待機児童数は、全体の6割程度を占めています。待機児童については、全国での問題ではなく特に都市部で発生しているものです。

これは、都市部への人口集中、共働き世帯の増加、核家族化・地域連携の希薄化による保育ニーズの高まりなどが主な原因です。

過去問ではどんな問題が出題されている？

関連問題

2012（平成 24）年８月に成立した子ども・子育て関連３法に基づく「子ども・子育て支援制度」の内容として、都市部における待機児童解消とともに、子どもの数が減少傾向にある地域における保育機能の確保に対応するため、「公定価格」が創設された。○か×か。（令和７年保育士試験（前期））

補足・・・令和７年保育士試験（前期）、保育原理、問3を確認 

参考にしたテキスト：この1冊で合格! 桜子先生の保育士 必修テキスト 上
私は2026年度版を購入。最新の制度なども反映されていて、わかりやすいテキストです