これは保育士試験に向けて、独学で勉強した内容をまとめた記事です
この記事は前回の記事の続きです。前回の記事はこちら
3.子ども・子育て支援制度の具体的施策
2015年4月から子ども・子育て支援(新)制度が施行され、それまでは保育所や幼稚園など個別の制度で運用されていたものが、統一的に実施されるようになりました。
表(2-②-②)にもあるように、地域の実情に応じた子育て支援も実施されています。
①子どものための現金給付
子どものための現金給付は、新設されたものではなく、もともと「児童手当法」によって実施されていた児童手当が、この子ども・子育て支援新制度上で子どものための現金給付として位置づけられたものです。
2015年3月までは、児童手当法単独の制度として運用されていたが、子ども・子育て支援新制度に「現金給付」として明確に位置づけられた。→点と点の子育て支援が、子ども・子育て支援新制度で「社会全体で子育てする」という環境整備のため、制度に明確に位置づけられたと思われる。(あってる?)
実施の主体は、市町村です。
さらに、2024年10月から制度が改正され、
- 所得制限の撤廃
- 支給期間の延長(高校生年代まで)
- 第3子以降の給付額の3万円への増額(要件あり)
- 支払い回数の変更(年6回)
児童手当について「次世代を担うすべてのこどもの育ちを支える基礎的な経済支援」との位置づけをより明確にすることになりました。
2024年10月の児童手当法改正の背景として、政府が掲げる「異次元の少子化対策」と、その具体的な実行計画である「こども未来戦略」があります。(GoogleAIによる「児童手当法 2024 背景」の回答・2025年12月14日時点)
②妊婦のための支援給付(妊婦支援給付金)
2025年4月より妊婦のための支援給付が創設されました。
この制度は創設されたばかりで、私自身も利用していないのでイメージが湧きにくい項目です
妊婦のための支援給付(妊婦支援給付金)
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 実施主体 | 市町村(特別区含む) |
| 支給対象者 | 日本国内に住所を有する妊婦 |
| 支給に必要な手続き | ①妊婦は申請を行い、妊婦給付認定を受ける →5万円が支給される ②妊婦給付認定を受けた者は、妊娠しているこどもの人数等の届出を行う(出産後) →妊娠しているこどもの人数✕5万円が支給される |
妊娠期から切れ目ない支援を行う観点から、妊婦のための支援給付(妊婦支援給付金)と「児童福祉法」に基づく妊婦等包括相談支援事業等の支援を効果的に組み合わせることにより、妊婦等の身体的、精神的ケアおよび経済的支援を実施することになった。
給付はイメージしやすいけど、妊婦等包括相談支援事業ってなんだろう
妊婦等包括相談支援事業は、「妊婦・その配偶者等に対して面談等により情報提供や相談等を行う」(こども家庭庁サイト抜粋)ことで、実際には、妊娠届出時、妊娠後期、出産後などのタイミングで専門職(保健師・助産師等)との面談がある模様。身近で相談に応じ、必要な支援メニューにつないでくれるみたい!
③子どものための教育・保育給付(施設型給付)
施設型給付に位置づけられているのは、保育所、幼稚園、認定こども園で、主体は市町村です。
ここでの給付は、現金などの給付ではなく、子どもの教育や保育のサービスを受けることを指しています。
施設(保育所、幼稚園、認定こども園)が利用できる児童は、0歳〜小学校就学前までで、施設により対象児童が定められています。
| 種類 | 特徴 | 対象年齢 | 認定区分 |
|---|---|---|---|
| 保育所 | 児童福祉法に基づき、保護者の就労などの理由で「保育を必要とする」乳幼児を預かり、養護と教育を一体的に行う児童福祉施設 | 0〜2歳 | 3号認定(保育認定) |
| 3〜5歳 | 2号認定 | ||
| 幼稚園 | 幼稚園教育要領に基づき、幼児期の教育を行う学校 | 1号認定 (教育標準時間認定) | |
| 認定こども園 | 幼稚園と保育所の両方の機能と特徴をあわせ持ち、教育・保育・地域の子育て支援を一体的に提供する施設 | 0〜2歳 | 3号認定(保育認定) |
| 3〜5歳 | <保育所型> <幼保連携型> 2号認定(保育認定) | ||
| <幼稚園型> 1号認定 (教育標準時間認定) |
2号・3号認定は、市町村で利用のための認定を判断します。
1号認定は、入園を希望する幼稚園等に保護者が直接利用希望を申請します。
私はフルタイム勤務から退職したとき、子どもが通っているのが認定こども園だったため、失業求職者として2号認定を申請するか、1号認定として利用希望するか選択肢がありました!
④子どものための教育・保育給付(地域型保育給付)
地域型保育給付では、家庭的保育、小規模保育、事業所内保育、居宅訪問型保育が対象で、実施主体は市町村です。
この給付は特に0〜2歳の児童を対象としています。(3歳以降は施設型給付に移行します)
| 種類 | 特徴 | 対象年齢 | 認定区分 |
|---|---|---|---|
| 家庭的保育 | 定員5人以下で、保育者の自宅など「家庭的環境」で行われ、よりきめ細やかな保育が特徴 | 0〜2歳 (満3歳以上児も状況により対象となる) | 3号認定(保育認定) |
| 小規模保育 | 定員6~19人で、一定の保育室で運営 | ||
| 事業所内保育 | 会社の事業所の保育施設などで、従業員の子どもと地域の子どもを対象とした保育 | ||
| 居宅訪問型保育 | 保育を必要とする乳幼児の居宅で、家庭的保育者による保育を行う |
⑤子育てのための施設等利用給付
2019年10月「子ども・子育て支援法」の一部改正により新たに子育てのための施設等利用給付が創設。
この法改正は、2019年10月から始まった幼児教育・保育の無償化制度によるものです。
「教育・保育給付」と「施設等利用給付」の主な違いは、利用する施設の種別です。
主体は市町村です。
子どものための教育・保育給付の対象外である以下の施設のうち、市町村の確認を受けたものの利用を対象とした給付です。
- 認定こども園
- 幼稚園
- 特別支援学校の幼稚部
- 認可外保育施設
- 預かり保育事業
- 一時預かり事業
- 病児保育事業
- 子育て援助活動支援事業
なんとなく病児保育の利用が無償になったと噂を聞いていたけど、この給付によるものだったのかと理解!
参考にしたテキスト:この1冊で合格! 桜子先生の保育士 必修テキスト 上
私は2026年度版を購入。最新の制度なども反映されていて、わかりやすいテキストです

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